中学生の不登校克服

中学生の不登校

 中学生の不登校の場合、親とも距離を置いてしまい、一人で思い悩んでいる場合も少なくありません。

 特に中学生の場合は不登校による勉強の遅れの不安は顕著に現れ、学年が高くなればなるほど逃避してしまうことも多いです。

「家にいた方が自分の好きなことをして暮らせるから楽」と考えがちになり、わざわざ大変な思いをして学校に行こうとは考えにくいものです。

不登校を繰り返す子ども

 また、最近では私立などの中高一貫校の「友達との関わりを多く学ぶ時期」を学べないで免疫力が低下してしまうケースも少なくありません。小学校で不登校になり、私立中学に入学し、友達関係が原因で再び不登校になる子どもたちが急増しています。

 小学校で不登校だった子どもたちは友達を作ることが苦手です。
 学校で良い子を演じすぎてしまい、燃え尽きてしまって自ら無気力に駆られてしまう場合も少なくありません。ストレスを発散する方法を知らず、一人で思い悩んでしまうことも多く、親に反抗的な態度をとったり、パソコン、ゲーム、携帯等にはまって昼夜逆転になってしまう場合もあります。自分自身でもどうすることもできないでいる場合も少なくありません。

不登校を長引かせないために

 不登校を長引かせることは良いことではありません。自分自身を見つめなおす時間は必要なことではありますが、できないことを自分自身問い詰めすぎる形にもなりえます。中学生ともなると「友達とのトラブル」「先生とのトラブル」など、多感な子どもたちにとって学校に戻ることはできない理由もはっきりしている場合が多いです。

 子どもの大切な将来を親子で見出して一緒に考えてあげることが何よりも大切なことです。

 また、信頼して相談できるパートナー(教育相談機関)を見つけて、新しい風を吹き込んでみたらいかがでしょう。きっと今までの対応と違ってぐんぐん前向きになり、共に子どもの方向性を見出していけます。

 親御さんはつい子どもを傷つけまいと、腫れ物に触れるような対応をしがちですが、ご家族が方向性を一致させ、落ち着いたときに将来のことを真剣にお話し合いすることは何よりも大切です。

 子どもたちは楽な方へとたなびいていきます。
 自信を持って楽しみを知ることができたら、自主的に学ぼうという気力が生まれ、不登校克服へと結びつきます。

 夢、目標が持てるようになれば、そこが突破口となり前向きな姿勢が現れてきます。

◆「子どもたちのコミュニケーション能力」が低下しています

 子どもたちの友達との関わり方が、その経験不足から下手になってきています。ゲーム、スマホが流行り、一人遊び、または友達と公園で遊んでいてもそれぞれがゲームをしている姿をよく見かけます。

 友達付き合いも表面的となり、ゲームにどっぷり漬かってしまうとリアルに友達と関わる経験が乏しくなり、それを学習する時期の小学校中~高学年で友達との対応の経験や語彙表現力を身につけることができないということです。

 親がついつい甘やかせてしまい、自分でやらせない(経験させない)で先走りして親が何事もやってしまうことが原因でもあります。残念ながら親以外にも子どもに「生き方」を教える人も少なくなり、子どもが憧れて真似をする、模範を示すような大人は少なくなったことも原因でしょう。

 そのような状況で学校復帰させても同じ繰り返しをしてしまう場合が多いといえます。「五月雨式不登校」になるのも「学校に行かない楽さ」を覚えた子どもたちが無意識にそうなります。小学校高学年には友達との対応方法やストレスの発散方法を教えるか気がつかせる事が大切であり、自分自身に自信がついて、多少のことは気にしない、余裕を持って大らかな、豊かな気持ちをもてるようになることを覚えさせてあげたいと思います。

 一度学校を不登校になり、「学校に行けない苦しさ」を知った子どもたちは、二度と同じことを繰り返したくない。孤独感や学校に行くことができない自分自身の不甲斐なさや後ろめたさで過ごすような同じ苦しさを味わいたくないと考えています。それは親以外にも第三者が教え、支え、信じ合い、伸ばしてくれる存在が必要なことであるのです。如何にして「中1ギャップ」を乗り越えるか、「不登校を繰り返さない」で楽しい学校生活を心豊かに暮らせるかが、今後この社会で人の輪の中で楽しく暮らしていけることを、今後も子どもたちに与えていきたいと考えています。小学生の不登校からしっかりと完全に不登校から克服できた子どもたちは中学生で再び不登校になってしまう例は少なくなっています

●中1ギャップ

 3月まで6年生で小学生でいた子どもが、4月に中学校に入学して、その環境の変化の中、一ヶ月の間毎日緊張しっぱなしで中学校生活を送り、その環境の大きな変化の中、頑張りすぎてしまい、夏休み明やゴールデンウィーク明けにその緊張が途切れ、学校に行きたがらなくなってしまう相談をよく承ります。最近では特に中学受験で私学などに進学した中1生徒にも、このような状況が多く発生しています。